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アンカリング効果とは?無意識に働く驚異の心理効果を徹底解説

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アンカリング効果とは?無意識に働く驚異の心理効果を徹底解説

こんにちは、ライルです。

アンカリング効果とは?」ということで解説していきます。
タイトルには心理効果とありますが、これは主に行動経済学という学問で扱われます。
ただよく出てくるだけですが。

ではまず、行動経済学とは何か
簡単にいえば、『心理学×経済学』という比較的新しい学問です。

経済学は「人間は皆、合理的に行動する」ということを前提としていますが、
そんなことはありませんよねw
誰しもが、時には浪費し、時に遠回りをします。

これは長期的に見れば、平均値になるので徐々に正しい値に近づくのですが、
短期的に見れば見るほど正しくない。

ですが、そこに人間の消費心理を加味することで
短期的な経済も合理的に説明できるようにしたのが、
この、行動経済学です。

というわけで、前置きが長くなりましたが早速、アンカリングの解説に入ります。

目次

アンカリングって何?どういう効果?

アンカリングとは

先に認知された数値が、その後に認知した数字に基づく判断を歪める

という心理効果です。
行動経済学者の、ダン・アリエリー氏は「恣意の一貫性」という原理で
アンカリング効果が実在することを明らかにしたんですが、
おそらく、死ぬほどわかりにくいでしょう。

なので、ここから具体例を用いて解説していきましょう。

アンカリング効果の具体例

それでは、具体例で説明しましょう。
より理解度を高めるために6つほど質問をさせてください。

全ての質問の答えは、覚えておくか、メモしておくと面白いことが起こるかもしれませんよ。

それでは早速いきましょう。

これからあなたには、下水に飛び込んでもらいます。
報酬は1000万円。もちろん、体に害はありません。

さて、やりますか?それともやりませんか?
もしやらないのであれば、いくらならやりますか?

では次の質問に行きます。

ありがとうございました。
次は、1ヶ月間毎日あなたの知らない人が入っていますが、
一回も洗わず、お湯も抜いていないお風呂に浸かっていただきます。

報酬は先ほどと同じ1000万円。

やりますか?それともやりませんか?
もしやらないのであれば、いくらならやりますか?

では、次が前半最後の質問です。

それでは、先ほど飛び込んだ下水と浸かったお風呂の水を1:1の割合で混ぜた
汚い水に使ってもらいます。

ですが、報酬はあなたが決めてください。
さて、最低いくらの報酬があれば参加しますか?

はい。ここまでが前半の質問です。
では後半の3つに行きます。

これからあなたにはコバエが大量に入った部屋を通過してもらいます。
歩く距離は20mです。走ってはいけません。
遠くから見ると、灰色の塊が動いてるように見える程度のなのかコバエが入っています。

報酬は10万円です。
やりますか?それともやりませんか?
もしやらないのであれば、いくらならやりますか?

次の質問です。

ありがとうございました。
お次は、コバエではなく、ハエが入った部屋を通過してもらいます。
長さは同様に20mで走ってはいけません。
遠くから見ると灰色の塊に見えるくらいの量です。

報酬は同じく10万円です。
やりますか?やりませんか?
もしやらないのであれば、いくらならやりますか?

それでは最後の質問です。

それでは最後です。
先ほどのコバエとハエが1:1で混ぜられた部屋を20m歩いていただきます。
虫の量も同じく、灰色の塊程度です。

ですが報酬はあなたが決めてください。
参加するとしたら、最低いくらで参加しますか?

さて。質問はここまでです。
6つもあって大変でしたかね。

おそらくですが、前半の3つの質問の答えの方が、後半の3つの質問の答えよりも
大きな価格になったのではないでしょうか。
もし良ければコメントで教えてください。

実はこの質問では、意図的にアンカリングを発生させました。
どういうことか、解説していきましょう。

アンカリング効果のメカニズムを具体的に解説

ではまず、最初の3つの質問からです。

あなたは、1000万円で下水に飛び込んだり、汚いお風呂に浸かったりしました。
この1000万円という価格は、私が提示した適当なものです。

おそらく、前半最後の質問で、「最低いくらで参加するか」と聞かれた時
あなたの頭の中には「1000万円」という数字が浮かんだ。もしくはそれに近い数字だったと思います。

そして後半の3つ。
コバエが大量にいる部屋やハエの部屋を歩きました。
これは10万円でしたね。

これも同じことです。10万円は私が提示した適当な価格ですが、
最後の質問で、「10万円かそれに近い価格」を思い浮かべたと思います。

どうでしょうか。
あなたは私が作り上げた「相場」の中で価格を受け入れ、
その数字はあなたの判断にも影響を及ぼしているでしょう。

これがアンカリングなのです。

なぜこんなわけのわからない質問をしたのかというと、
上記の質問には相場がないためあなたは価格を参考にできませんし、
汚い水と虫の群れの中は、私個人的に同じくらい嫌なので選びました。

私が提示した、「1000万円」や「10万円」といったアンカーは
あなたの中で無意識に処理されました。

つまり「恣意的」だったのです。
恣意的というのは、「気の向くままに、なんとなく」という意味です。

ですが、そんな適当になんとなく表示された数字でも、
あなたは「一貫して」1000万円をアンカーにしました。

これが、冒頭で述べた「恣意の一貫性」の正体です。
実は先ほどした質問は、ダン氏が恣意の一貫性を明らかにする際に用いたものを
参考にして、作り上げた質問だったのです。

アンカリングがなぜ起こるのか。

端的に言えば、アンカリングは「刷り込み」です。

卵から孵ったひな鳥は、まず初めに認識した生き物を親であると認識します。
それと同じことなのです。

ひな鳥は最初に見た生き物=親というアンカリングによって、
その後に本物の親鳥とであっても、親だと思うことはないのです。

流石に人間のアンカリングはここまで長いこと続きませんが、
実は続いている例もあります。

それは「真珠」です。

真珠にはそもそも全く価値はありませんでしたが、
それを商人たちが一般人の手の届かないところに置いたことで、
誰もが欲しがる高級品の仲間入りを果たしたのです。

これは僕たち一般人が、商人たちに「真珠=レア=高い」とアンカリングされ
刷り込まれた結果なのです。

実際に、価値を知っているときと知らない時ではその行動や大事にするしないというのが
変わりますよね。

拾った石がもしダイアモンドの原石でも、それがわからなければ
川で水切りをするのに使うでしょう。
ですが、それがダイアモンドの原石だとわかっていれば、
普通に落ちていたものでも大事に持ち帰って飾るはずです。

これもアンカリングです。

最初に知ったその価値や数字が、後の判断に影響を及ぼす。

つまり、最初の例ではあなたは「下水に飛び込む=1000万円」という刷り込みを自分で行い、
その刷り込みを基準に、その後の数字を判断してしまった。
ということになります。

アンカリングをビジネスに活かすためには?

「アンカリングは刷り込みだ」と言いました。
実は、あらゆるビジネスはあなたに刷り込みを仕掛けています。
そして、刷り込まれています。

全く悪いことでもなんでもありません。戦略です。
その仕組みを理解することで、かなりビジネスに活用することができるでしょう。

あなたにとって身近な具体例を扱いながら、徹底解説していきます。

アンカリングでコンビニはスーパーに勝った

例えばこんなことがあったとしましょう。

あなたは今、非常に喉が乾いています。
100m先にはコンビニ、500m先にはスーパーがあります。

コンビニでオレンジジュースを買うと200円しますが、
スーパーではオレンジジュースは120円で売っています。

どちらの方が得かを計算するのは少し複雑ですが、
喉が乾いているため、コンビニに入りました。

購入したオレンジジュースをごくごくと飲み干し、
その日はそのまま家路に着きます。

そしてその翌日、同じような状況になりました。
またもや同じあたりで喉が乾いてしまった。

おそらくあなたはコンビニで飲み物を購入するでしょう。

なんだか当たり前のような話ですが、
実はここにアンカリングをビジネスで活用するヒントがあるのです。

なぜこんな当たり前のことが起こるのか

結論から言えば、

ここには「アンカリング」と「自己ハーディング」という2つの心理効果が絡んでいます。

あなたが先程の例で繰り返しコンビニに入ったのはなぜでしょうか。
本当はスーパーまで歩いた方が、安くジュースが買えるのにもかかわらず。

歩いてスーパーまで行くか、目の前のコンビニに入るか。
どちらが得なのかを計算するのは、少し複雑ですね。

なので、簡単で楽な決定方法に頼るのです。

最初は「喉も乾いてるし、コンビニ入ってみるか」と言った具合に。
そして、それ以降はこうなります。

「前回はコンビニで良い買い物ができて、喉を潤することができたのだから判断は間違っていない。」

と考えるのです。
無意識にこう思ってしまうんですね。

これは自己ハーディングと呼ばれています。
『ハーディング』とは、英語で『herding』とつづります。

『herd(群衆)』という単語から来ています。

詳しくは下記の記事から見ていただければ幸いですが、
ハーディングとは何か。を簡単に説明するとするなら

「あそこのレストランはいつも行列だな。さぞ良い店なんだろう」
と、思ってしまう心理です。

行列のできる店を見て、良い店だと判断して後ろに並ぶ。
これと同じことを自分でやっているのです。

ハーディング効果とは?行列のできる店が大体狭い理由とは?

あなたは「前にもコンビニで良い体験をした」という理由で、
過去の自分の後ろに並んで行動しています。

これが「自己ハーディング」です。

そして、あなたがコンビニで支払った「200円」という価格が
あなたの中でアンカーとなります。

次にスーパーに行った時には「オレンジジュースやっす!!!」
となることでしょう。

逆に、普段からスーパーに行っている人であれば、
「コンビニのオレンジジュース高すぎ!!」と思うはずです。

これがアンカリング効果をビジネスに活かす典型的な例です。
実はスターバックスが成功した要因の1つでもあります。

それに関してはこちらで書いているので、参考にどうぞ。

【アンカリングとスタバと経験】ビジネスに必須なカスタマージャーニーの話

おさらい

少し長くなってしまいましたね。
文字数は大体ここまでで4220字ほど。

どうでしたか?
アンカリングが「無意識に判断を歪める」ことが理解できたと思います。

非常に強力な効果である上に、知らなければ自覚ができないアンカリングは
ビジネスの様々なところで使われています。

理解を深めて、どんどん活用してください。

というわけで。今回はこの辺りで終わります。

 

 


 

今現在では月に300万円ほどの収入があります。
これまで3年間の練習の結果です。

ですが、3年間は少しかかり過ぎでした。
偏差値32を高3の9月に全国模試でたたき出し、必死こいて勉強したり、
頑張って月に30万円稼いだWebライターでは激務でアル中になってハゲたり。

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