こんにちは、ライルです。
「確証バイアスを知って、客観的な思考を手に入れるべし」ということで、
有名な心理効果の1つでもある、「確証バイアス」についてわかりやすく解説していきます。
社会心理学の知識は、社会の中に生きる人間にとって非常に重要です。
この確証バイアスもその1つ。
人間の心理を知ることで、自分の思考や生活に意識的になることができます。
というわけで、早速いきましょう。
目次
確証バイアスとは?
まずは、確証バイアスとはなにか。
結論から言ってしまうと、
「自分の考えに合う事例に出会うと、自分の考えを強力に支持する証拠に出会ったように感じる」
という心理効果です。
もし出会った事例が、自分の思考は正しいものだと証明するのには全く充分でなくても
強力な支持を得たように感じるんです。
例えば、「〇〇君はA型だから几帳面だ」というのは全く根拠がないんですが、
もし、〇〇君が几帳面でA型だと、「これって正しいんだ」と思ってしまうんです。
より簡単に言えば、人間は自分が正しいと思いたい生物だということです。
自分が間違っているという証拠には注目せず、自分が正しいという証拠に注目してしまう。
これが、確証バイアスです。
『バイアス』という言葉は、英語で『Bias』、日本語では『偏見』という意味になります。
つまり、
「自分が正しいと思いたいから、都合悪い情報は嫌いだよ〜〜っていう偏見」
なわけです。
非常に単純ですよね。
こんなに単純な心理効果ですが、ビジネスで非常に簡単に活用することができます。
なぜ、確証バイアスが起こってしまうのか。
これは先ほども言った通り、「自分が正しいと思いたいから」ですね。
逆に言ってしまえば、自分に都合の悪いことからは目を逸らそうとする。ということです。
それを詳しく解説する前に、確証バイアスと相乗効果を図ることができる
相性の良い心理効果をいくつか紹介します。
似たような心理効果を学ぶことによって、
どうすれば、人々はあなたの声に反応してくれるのかがわかるはずです。
人は自分の意見を否定する情報や知識を無意識に避けたがります。
理由は「苦痛だから」です。
地球中の全生物に当てはまる特徴として、
「快楽を追求するより、苦痛を避けることを優先する」
というものがあります。
生物学的に言えば、これは生存戦略の一種で、
生き残るためには苦痛=危険を避ける必要がある。ということです。
確証バイアスも根本は同じ。
ただ無意識に苦痛を避けるための過程なんです。
そしてその分、自分にとって都合の良いこと(=快楽)が大きく写ってしまう。
ただこれだけの仕組みです。
相対的に都合の良いことが大きく見える。
これが確証バイアスが発生する理由です。
遺伝子レベルで発生するようになっているんですね。
なので、どれだけ意識的に行動し、習慣化してカバーするか。ということが重要です。
具体的に、確証バイアスを抑えるための方法を解説する前に、
似たような心理効果をいくつか紹介します。
それぞれ軽く紹介するだけですが、各心理効果の解説記事のリンクを貼っておくので、
気になったものからガンガン読んでいってください。
確証バイアスと相性抜群!『バーナム効果』
これは、あの映画「Greatest show man / グレイテスト・ショーマン」の主人公であり、
実在の興行師である、P.T. バーナムが発見したことから名前が付けられた心理効果です。
これを知っているだけでもだいぶ親しみやすいですよね。
というか、覚えやすい。
肝心の内容は
「人間は誰にでも当てはまるようなことを言われると、自分のことだと思ってしまう」
というものです。
占いとかがその最たるものですね。
一昔前の詐欺師がよく使った手法の1つです。
「あなたは他人から好かれたい、称賛されたいと思っており、それにもかかわらず自己否定してしまう傾向があります」
「あなたには様々な意見を取り入れる大きな心がありますが、独自の思考を持っていることに誇りを持っています。」
と言われると、どうでしょう。
自分に当てはまっている気がしませんか?
これは実際、人間であれば誰にでも当てはまるんです。
人間の精神状態は一直線であるはずがなく、承認欲求は存在しているとされるからです。
ですが、自分のことのように感じてしまう。
星座占いなども同じです。
詳しくはこちらの記事に書いているので、
見てみてください。
それでは次の心理効果です。
確証バイアスの発生源①!『アンカリング効果』
これは、英語にすると『Anchoring』で、『Anchor』という単語は『錨(いかり)』です。
船を港に止めておくときに、海底に沈めて船が動かないようにするあれです。
これは少し複雑な効果です。その内容は、
「最初に提示された数字が、のちの判断の影響を及ぼす」
というものです。
実は心理学ではなく、主に行動経済学の分野として扱われることが多いのですが、
非常に重要で強力な効果です。
心理学でいうと、「フットインザドアー効果」が似たようなものです。
フットインザドアー効果に関しては、下記から簡単に学べます。
フットインザドアー効果とは?あなたの要求を通すシンプルな手法を徹底解説
アンカリングというのは、例えば、
A「30分遅刻する!すまん!!」
B「おk」
A 15分で到着
B「おっ、早かったじゃん」
というものです。
これがもし、30分後に到着すると
A「30分遅刻する!すまん!!」
B「おk」
A 30分で到着
B「遅いぞ〜!」
となりますね。
最初の例はアンカリング効果のせいで、15分の遅刻を短く感じてしまったのです。
初めに提示された数字の影響で、あなたの気持ちが変わりますよね。
あまり長くなってもよろしくないので、
詳しくはこちらのリンクからどうぞ。
次で最後です!
確証バイアスの発生源②!『ラベリング効果』
『ラベリング』、つまり「ラベルを貼られる」んです。
どういうことかというと、
「『あなたって〇〇だよね』と言われると、行動がその主張に寄ってしまう」
というものです。
相手の印象を崩して、悪い印象を与えてしまうという苦痛を避けるための無意識的行為です。
例えば、
「あなたって、優しい人だよね」と言われると、
その人に優しくしてしまいませんか?
これは相手の印象を崩す苦痛を避けるためです。
ラベリングは非常に単純ですが、とても効果的です。
相手に無理をさせない深い観察や思考が必要ではありますが、
ラベリングをスタート地点として、確証バイアスを起こさせることで、
相手に行動を促すことができます。
この手法は、依存される体質の方が無意識に使っている可能性のある手法です。
恋愛では超絶使えます。
ビジネスではそもそもラベリングが難しいですが、うまくやれば効果が出るかもですね。
もっと詳しく知りたい方は下記から飛べます。
次に、確証バイアスを抑えて客観的に思考する具体的な方法を解説します。
確証バイアスを抑えて、客観的に思考する
実はこれは確証バイアスだけでなく、全ての偏見を排除するために応用できます。
しかも、非常に単純です。
「物事をいろんな方向から見てみる」
ただこれだけです。
「クリティカルシンキング(批判的思考)」なんて呼ばれたりしていますが、
最低限の単語だけ覚えてればいいので、こんな名称はどうでも良し。
例えば、あなたは今ビジネスで結果が出ないとしましょう。
それは
「これならいけそうだ!」と思っているからです。
ビジネスで結果が出せない原因は、
「自分の思考、やり方は正しい」と確証バイアスがかかってしまっているから。
問題は結果が出ないことにあるので、結果が出ない原因を探ればいいんです。
それさえわかってしまえば、もはや99%は改善できたようなものです。
つまり、今のあなたが正しくないであろう情報も探す。ということです。
非常にシンプルで、簡単な話です。
しかも結果が出ない原因をデータから判断することで、より客観的にいろんな方向から
自分の行為を観察できます。
つまり、
・自分が正しくない理由を、データ(数字)の中から探す
ということです。
これだけで確証バイアスを回避することができます。
データの中から探すことによって、各データの視点から自分の行動をみることができます。
これが「いろんな方向から見る」ということです。
ビジネスに応用できる心理学を学ぶためのブログです。
ここから、確証バイアスをビジネスに応用する方法を解説します。
確証バイアスをビジネスに応用しよう!
実は、確証バイアスは特にマーケティングにおいて非常に役立ちます。
確証バイアスをマーケティングに活用するというのは
つまり
「相手の思考と自分の思考のすれ違いを把握すること」
です。
これだけではわかりづらいと思うので、具体的に解説していきます。
相手の常識を覆す
常識を覆すのは、非常に有効な説得技術です。
その理由がこちら
・99%の人は常識を信じている
・常識の中には間違った理論も当たり前のように含まれている
・身近なものが多いので、親しみやすい
・常識が覆されたインパクトは不意にハンマーで殴られるのと同じくらいでデカい
・信念を変えられると人は不安になる
・不安になると誰かに頼ったりついていきたくなる
・つまり、濃いお客さんになりやすい
といった感じです。
常識は確証バイアスの1つで、周りが信じているものを信じたいがために存在しています。
例えば酵素ドリンク。
一時期非常に流行った健康食品の類ですが、
これ実は全く意味ありません。水と同じです。
酵素は基本的に「腸」で働きます。
ですが、酸性のものに触れると効果を失ってしまうんです。
つまり、口から飲んで胃酸に触れた時点でもはや酵素を摂取する意味がない。
でも、「酵素ドリンク=健康」は常識の1つです。
こういった具合で、間違った理論は非常に多い。
みんなの輪を乱したくない。みんなと同じ考えを持っていたい。
そういう集団心理が、間違った論理すら信じ込ませます。
そして、人間は知っていることしか判断材料にできないので
知っていることの中で最もそれっぽいものを正しいと思ってしまいます。
つまり、常識を覆して正しい理論を与えることで、非常に大きな興味・関心を引き付けられるんです。
あなたのお客様の常識を覆し、正しい知識を与えることは十分価値を生みます。
価値を提供することがビジネスの本質なので、常識を覆すことは非常に有効です。
というわけで、次行きましょう。
確証バイアスを抑えて、客観的にビジネスを見る
これは先ほども少し解説しましたね。
あなた自身が確証バイアスの塊なら、あなたのビジネスが日の目を見ることはないでしょう。
人に何かの価値を提供しようと思ったら、あなたがお客様よりもその価値を知っていなければいけません。
そして、お客様に適切に価値を届けるためにはデータを解析することが不可欠です。
この辺りは正直、ビジネスの基礎中の基礎でしょう。
そのためにはどうするか。
まず、あなた提供しようとする価値にはどんなメリット・デメリットがあるのか。
あなたのお客様はどこにいて、どういう人で、何を求めているのか。
この辺を明らかにする必要がありますね。
ですが、それは常に客観的な目線でなくてはいけません。
自分の主観入りまくりで、「自分の考え=正しい」と思うのはあまり良いことではないです。
つまり、あなたが「自分の思考は正しいのだ。このまま進めば必ず成功する」と根拠なく思い続けても
全く言葉通りにはならないのがオチです。
確証バイアスを抑えて、いろんな視点から物事を見れるようになって初めて、結果が出ない原因が見つかります。
そのために、確証バイアスを知ることは非常に重要です。
では、次!
おさらい
最後まで読んでいただきありがとうございました。
おさらいと言うか、注意点を解説します。
確証バイアスは「人間は情報収集→判断に不得手」という心理効果です。
そのため、目標にすべきは以下の2つ
・自分の確証バイアスを抑えて、客観的、多角的に思考すること
・お客様の確証バイアスを明らかにして、正しい理論・価値を与えること
この2つが重要というか、頭の中でごちゃごちゃになりやすいところです。
多角的に思考するためには、「いろいろな視点から見てみる」ことが大事。
いろんな視点の軸として、データをうまく活用すると客観的に思考できるようになります。
さらっと簡潔に書きましたが、だいぶわかりやすく書けたんじゃないかなと思います。
不明点があればぜひコメントで教えてください。
すぐさま改善します。
それでは、今回はこの辺りで筆を止めさせていただきます。